「
完四郎広目手控」シリーズの第4弾。
江戸末期に広目屋(広告業)の元に居候して戯作者・仮名垣魯文らとともに事件を解決していた旗本の二男・香冶(こうや)完四郎が渡米先から帰国。新聞の前身で、絵を中心にした「新聞錦絵」に描かれた事件の謎を解き明かす。
旗本が妻子を道連れに自害し、幽霊が出ると評判の屋敷で怪談噺の会を開く「怪談指南」、元幕臣が栽培した濃すぎて買い手のつかない茶を売るために完四郎たちが秘策を練る「茶番組」など12の短篇を収録。
幕府瓦解後の武士の苦境や西洋文明に湧き立つ人々が鮮やかに描かれている。所々に挿入された著者所蔵の残酷絵で知られる芳幾・芳年の描く新聞錦絵が妖しく美しい。
(
高橋克彦著、集英社・1785円)
文明怪化