ファッツ・ドミノ「トリビュート」
当たり前だけれど、ロックンロールは、ある日突然生まれたわけではない。ルーツをたどれば、黒人霊歌やブルース、R&B、それにカントリー。生い立ちや取り巻く環境から自然と出てきた心の叫びや癒やしの声、さまざまなフィルターを経て今がある。
前置きが長くなったが米音楽業界の長老的ミュージシャン、ファッツ・ドミノ(79)を慕う29の豪華アーティストが参加した2枚組30曲入りの「ファッツ・ドミノ・トリビュート・アルバム」(キング)を聴くと、ロックが偶然の産物ではないことがよく分かる。
ジョン・レノン、エルトン・ジョン、ロバート・プラント、レニー・クラビッツ…ロックの連中も加わって、ブルージーにドミノの名曲をカバーしている。
中でも、地味だが耳を奪われるのが20年近いキャリアをもつ米女性カントリー歌手、ルシンダ・ウィリアムスの「ハニー・チリ」。アーシー(土臭く)で、オルタナティブ(型にはまらない)な歌声から、南部の光景が浮かぶようだ。
2005年のハリケーン・カトリーヌで甚大な被害を受け、一時は行方不明になりながら、無事救出されたドミノ。ニューオリンズの音楽文化の復興を願うミュージシャンからの分厚いクリスマスプレゼントだ。
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