キトキト
最近、家族間での殺人−殺伐とした事件が目につく。子離れできない親、親離れできない子が多いと聞くが、悲劇の一因にはこうした問題もあるだろう。
これは、女手ひとつで2人の子どもを育て上げた斎藤智子(大竹しのぶ)が、家を出ようとする息子の優介(石田卓也)に言ったセリフ。東京行きの電車に乗るのをためらう裕介の背を、そう言って精一杯に押す母の姿は寂しそうだった。3年前に娘の美咲(平山あや)も駆け落ちで上京していて、これでひとりぽっちになってしまった。でも母は強い。新しい恋をして、スナックを切り盛りして、パソコンを習い始める。
舞台は富山県高岡市。タイトルの「キトキト」とは、富山の言葉で「生きがいい」の意味だそうだ。離れていても家族は家族。家族との絆は大切な生きがいだというメッセージなのだろう。
これはご当地映画と言われるもの。ここ数年、各地にフィルムコミッションという団体が誕生して、映画などの撮影の誘致を行っている。ロケ地になることで観光資源を生み出し、地域の振興につなげていこうという運動だ。以前、地域おこしに積極的な監督と話したことがある。地元の人たちを巻き込むことで、町おこし運動のきっかけを作れると言っていた。よい話ではないか。ただ、作るなら名所回りドラマではない、土地柄を生かした作品を作ってもらいたい。でも、大竹しのぶはなんて演技がうまいのだろう。特に方言を使った演技はすばらしい。軽く笑えて、ちょっとホロリとさせられた。
2007年3月公開。本編1時間49分。発売・ハピネット、4935円。
キトキト
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