やわらかい手
男のリアルで生々しい欲望と60歳のおばあちゃんの人生が、壁の穴を通して交差する。きわどい話だが、どこかこっけいで心が温かくなる。
ロンドンの繁華街にあるフーゾク店。お客が地下に降りると、殺風景な部屋の壁に穴がある。客は穴にペニスを突っ込み、反対側の部屋で待ち受けた女性がそれをしごく。
おばあちゃんは、難病で倒れた孫の手術費を稼ぐためこの≪手コキ部屋≫で働き始める。おばあちゃんの「やわらかい手」が評判を呼び、客の行列ができる。モーレツに忙しくなった彼女はテニスひじならぬペニスひじ! で“黄金の右手”が使えなくなるが、それでも左手で頑張る根性に感心した。
どんな仕事でも一生懸命に働く女性の姿は美しい。平凡でさえない主婦だったおばあちゃんはやがて人生に自信を持ち、どんどんかわいくなるところがいい。そんなヒロインを1960年代にミック・ジャガーの恋人だったマリアンヌ・フェイスフルが好演。監督はドイツ出身でこれが長編第2作のサム・ガルバルスキ。人には意外な才能があることを教えてくれる、おばあちゃんの自立映画になっている。
やわらかい手
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