最近、メールばかりで、手紙をあまり書かなくなった人も多いのではないだろうか? しかし電話もメールもなかった江戸時代の手紙を見ると人々の味わい深い感情が伝わってくる。
この本は、手紙を貴重な史料として当時の日常を読み解いている。
御殿女中吉野みちの手紙は、親に小遣いをねだったものが多く、現代のギャルと変わらない(?)ようで、何ともほほえましい。天璋院篤姫付きの大奥女中の手紙からは、篤姫が薩摩の赤みそしか口にしなかった事実がわかる。滝沢馬琴が、息子の死を悲しむ手紙。赤穂義士、大石内蔵助、神崎与五郎、大高源五が討ち入りを決意した後、家族に送った手紙。どれも感動させられる。
さらに遊女高尾太夫から伊達綱宗への恋文、島津義弘などの大名や後水尾上皇が書いた手紙もある。いずれも「江戸人」の心を伝える「現代人」への手紙なのかもしれない。
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山本博文著、角川学芸出版、1470円)
江戸人のこころ