キリスト教には神の子キリスト、ユダヤ教には神ヤハウェ、仏教には釈迦、イスラム教にはマホメットという創始者ないし開祖があり、宗教として分かりやすい。
神は八百万(やおよろず)で、開祖もなく、明文化された経典もない神道は、宗教としては、はなはだ分かりにくく、宗教ではないという説すらある。新渡戸稲造は外遊中「宗教のない日本人が、どうして道徳心をもてるのか」と問われ、英文の『武士道』を書いたという話もある。
著者は「神道は日本固有の宗教であり、古来、日本人の哲学・思想を培ってきた」という一般的定義に加え、人類に普遍的な真理もあるという。また、日本人の何気ない動作や行動にも影響を及ぼし、日本人の生活そのものとも。そうした観点から神道の教理、基本観念、歴史など、神道とは何かを解釈する。
(
三橋健著、PHP新書・840円)
神道の常識がわかる小事典