電車やクルマを使わないで井の頭公園から霞が関まで歩くという発想がユニークでおもしろい。
主人公2人が立ち寄るのは、時代に置き去りにされたような場所ばかり。テクテク歩くことで、おしゃれな店も再開発ブームも無縁で、どこか妙に懐かしい東京を身近に感じることができる。
妻殺しで霞が関の警視庁に自首する借金取りの福原を演じている三浦友和が主演男優賞級。ちょいワルどころか、つかみどころがなくて怪しいオヤジを好演している。散歩旅につきあう気弱な大学生の
オダギリジョーは適役だし、2人が転がり込む家で家族ごっこをする
小泉今日子も笑える。
テレビの構成作家出身の三木聡監督は小ネタギャグを得意としている。ヘンなことをマジメにやる用意周到な笑いの連続で飽きさせないが、熟した柿が頭の上に落ちるといった単純ネタにはちょっと引ける。映画に出てくる喫茶・愛玉子(オーギョーチー)や下高井戸の八幡神社、都電の面影橋の風情にそそられた。週末にはロング散歩に出かけて路地裏探検をしたくなった。
転々−
てんてん−